【持ち家こそ庶民の最大の財産】
東急不動産「東急住生活研究所」では、昭和六○年から毎年、「サラリーマンの住宅意識調査」を実施していますが、これを見ると興味深い現象が表面化していることに気がつきます。つまり、まだ地価が急騰に転じていなかった昭和六○年と、狂乱地価が大きな社会問題になった平成二年とを比べてみても、住宅取得計画をもっている人の比率に大きな変化が生じていないのです。昭和六○年には、近い将来に住宅をもちたいと考えている人が四五%を占めていますが、平成二年の調査では四一%と、両者に大きな違いがないのです。この間、住宅価格は二倍以上にも値上がりしているのにです。たとえば、首都圏の新築マンション一戸当たりの平均価格の推移を見ると、昭和六○年には二六八三万円だったのが、平成二年には六一二三万円になり、約二・三倍の上昇になっています。一戸建て住宅も、これに近い値上がりになっています。これを見るとわかるように、住宅価格の高騰も、持ち家意欲を完全に冷却するまでには至らなかったのです。ではなぜ、持ち家志向が大幅に落ち込まないのでしょうか。その理由としてはさまざまなことが考えられますが、主なものをつぎにあげてみましよう。第一に、「持ち家は資産形成に役立つ」と考える人が依然として多いということです。これまで、地価は一時的に値下がりしても、再上昇に転じ、結果的には不動産をもつことの強みを認識させてくれました。

